映画を撮ったり、写真を撮ったり。絵を描いたり、小説を書いたり。コードを書いたり、感想を書いたり。

@TOYOZUMIKouichi

凪いだ春の西へ -三重・愛媛・大分・大阪・滋賀・京都の五日間-

帰り支度をして執務室を出る。エレベータには他の部署の一団と一緒に乗り込んだ。役員氏が「豊住君も中華行かない?」と誘ってくれたが、「これから夜行列車で旅行にいくので」と断った。なぜか、笑われた。夜行列車で旅立つって、普通じゃないのだろうか。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172508j:plain

18年前に、JR東日本がTRAING 2000キャンペーンというのをやったことがある。父がそのパンフレットを貰ってきて、僕はその存在を知った。ルールは簡単で、JR東日本の管轄する各路線の半分以上に乗車し、乗車駅と下車駅で証拠写真を撮影する。その写真をアルバムに貼り付けて送ると、景品が貰える、というものだ。また、自分で乗ったところの路線図を塗りつぶしていく楽しみもある、というわけだ。父はこれをやろうと言い出して、僕もそれに乗っかった。そして青春18きっぷで行こうと言い出して、僕はその存在を知った。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172509j:plain

青春18きっぷで旅を始めるとき、夜行列車は大きな武器となる。移動距離が長いからだ。そして、寝ている間に移動できるので、時間のロスも少ない。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172510j:plain

しかし、もう青春18きっぷで乗れる夜行列車はほとんどない。存在を知った頃は、まだたくさんの夜行快速列車が走っていた。だから、それを駆使して日本中を巡る夢のような旅行の計画を立てられた。そしてそれは夢のままになってしまった。けれども、その夜は夢のかけらが戻る僅かな夜の一つだった。23時10分に、東京駅を夢は発つ。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191725j:plain

ブラシレスジンバルが突然死を遂げて、これからの5日間の旅路に死重量を抱えることになった。もう何年ぶりに乗るかわからない185系は、やはり足下が狭い。さっさと寝たいところだが、改札までは起きていないといけないので、ぼーっとして過ごした。改札が近づいてくると、突然席を立って後方に行く背広姿がちらほら見かけられる。

改札を無事終えたら、すぐに寝た。ノイズキャンセリングヘッドフォンとアイマスクで少しでも寝やすい状態を作って眠りに落ちる。浜松で喉が渇いて目覚め、湿らすだけの水を飲んだ。他に記憶に残っているのは、熱田駅の暗いホームぐらいだ。それぐらい、よく寝た。それでも、全体の時間はそれほど長くなかった。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191730j:plain

生憎、春分の日の東海地方は雨だった。どこに行っても雨ではつまらないし、折角の機会なので名鉄名古屋駅に向かう。一度間違って地下鉄の方に行ってしまい、正しい方に向かうのに苦労した。目的地にたどり着くと、一人男性がいたので話しかけた。同じ目的だったので隣に座り、三時間戦い抜くこととする。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191731j:plain

一番氏によると、今回は人が少ないという。いつもならもっといるのに、何かあったのだろうかと言っておられた。まあ、今日は名古屋に並ばなくてもいいので、他の駅に散ったのではないかと予想を立てた。

駅の入り口から近い近畿日本鉄道名古屋営業所の前は冷たい雨の風が流れ込み、とても寒かった。もちろん、防寒はしっかりしてきたので困るほどではないが、寒いものは寒い。旅行鞄を椅子の代わりにして、長い時間、待った。

しばらくすると、人も大勢出てきて、なかなかの列が形成された。駅員氏が出てきて、他の客の迷惑にならないようにと列を動かすと、いきなり寒くなる。知らないうちに人の壁ができていて、それによって大分快適になっていたようだった。

時間も近くなったので立ち上がって待機する。今日発売の商品は、観光特急しまかぜの運行開始五周年を記念した入場券のセットと、スタンプラリィの景品を入れるためのケースだ。このスタンプラリィは日本の私鉄では最長の運行距離を誇る近鉄の全線に広がる狂気のスタンプラリィなので諦める。近くの人も「東京から来てるんじゃそりゃ無理だ」と言っておられた。

営業所は狭いので、一人ずつ通された。まあ、二番目なのですぐ済むだろうと思っていたら、えらい時間がかかる。まず、欲しいものを訊かれる。すると、駅員氏は一度奥に引っ込んで、数十秒後に要求した分だけ持ってくるのである。速度感は日村乳業が新幹線なら、こちらは徒歩である。どうしてこんな販売体勢になっているのか、謎である。

さて、目的のものを手に入れたが、とにかく天気が悪いので、雨でも楽しめるものを楽しむことにした。

名古屋市営地下鉄に乗って、東山線の終点である藤が丘駅まで行く。地上に上って、隣接する愛知高速交通東部丘陵線藤が丘駅に行こうとすると、双方の屋根の間に30センチメートルほどの隙間がある。雨がよく降っているので、絶対に濡れる。新高岡駅にもこういう場所があった。謎である。どうして繋げられないのだろうか。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191726j:plain

愛知高速鉄道は、リニアモータカーである。しかも東京都交通局大江戸線のように鉄車輪式リニアという生ぬるいものではない。浮上式のリニアである。もちろん世界最速であり、恐らく最強を目指すであろうJR式マグレブのようにとてつもない速度が出るわけではない。しかし、新交通システムとしては日本最速の時速100キロメートルを記録する、新世紀の交通システムだ。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191727j:plain

浮いているからか、縦揺れが少なく、かなり快適な乗り心地である。そして、窓が大きく視界が広い。低空飛行しているような具合である。踏切がないから衝突事故の心配もなく、大胆な設計になっているのだろう。その名の通り丘陵地帯を通っていくから、大変見晴らしが良い。これで晴れていたらなかなかの旅路になるのではないだろうか。眼下にはIKEAなどが見える。これも良い。ここに街があって、大勢の人が住んでいることがわかる。これから発展していくであろう、未来を感じさせる景色だ。

僕は、そういうものが、好きだ。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191728j:plain

愛・地球博記念公園駅で下車し、我らが鉄道むすめの八草みずきちゃんのグッズを手に入れてスタンプを押した。青緑の髪でウィンクした彼女は、白手袋に水色ブラウスと大変ステキな装いである。なかなかグラマラスな体格で大変よろしい。気に入りました。 残念ながら天気はよろしくないので、外の公園に行くのはやめておくことにする。まだモリゾーキッコロがいて、13年前来たかったなあと思う。まあ、そういうこともある。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191729j:plain

名古屋の駅に戻って、快速いせ号で鳥羽まで向かうことにした。ホームの売店松阪牛めしとお茶を購入。転換式クロスシートだからテーブルがなくて不自由だが、せっかく旅行をしているのだから駅弁で昼食としたいものである。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191805j:plain

汽車の唸るような走行音と共に南へと向かう。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191732j:plain

車掌氏が来たので、伊勢鉄道の料金を支払った。快速みえ号はJR線だけでなく、伊勢鉄道という第三セクタの鉄路を通過する。したがって青春18きっぷだけでは生き延びられないのである。

列車は中部地方の都市部を抜けていき、四日市を通っていく。たくさんのタンク車や遠くにそびえ立つ工場の塔を見て、鳥羽へと進んだ。伊勢鉄道の鉄建公団線特有の線形が印象的だった。その高架から見える緑の地面も。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191733j:plain

鳥羽まで行ってもいいが、宿の迎えがくるには時間があるので、二見浦の駅で降りた。ここから近くの二見興玉神社まで歩こうという算段である。空はどんよりと曇っていて、地面は雨に濡れている。そして風が強く、なかなかの寒さだ。春分の日だというのに、まったく春の気配がない。

二見興玉神社に来るのは、4年前以来だ。4年前の夏、僕らは種子島に行こうとして台風に阻まれた。そして西日本を大きく回る大旅行を仕掛け、最後に訪れたのがここ、二神輿玉神社だったのだ。あの日もここは曇っていて、地面は濡れていた。いつか、晴れた日に来たいと思う。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191734j:plain

神社から戻る途中、赤福でおしるこを食べた。赤福は好きなのだけれど、8個入りを消化する能力がない。なので、店頭で食べることにしている。赤福餅は明日食べることにしよう。今は温まりたい。店内には他の客として老夫婦がいて、なにやらいろいろと店員さんと喋っていた。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172512j:plain

二見浦の駅に戻り、列車を待つ。駅の待合室も、階段も、もちろんホームも、どこも薄ら寒い。ベンチが都会では珍しいタイプのものだから、写真を撮ったりしていた。喫煙コーナーのラベルにガムテープを貼って隠したのが、剥がれて見えていた。駅近くの家に、花が咲いた木が見えた。それは灰色と鮮やかさの足りない緑の景色のなかでとても目立っていた。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172513j:plain

鳥羽の駅でまた小一時間待たないといけないので、駅の近くにある伊良子清白の家というところまで行ってみた。しかし、開館時間のはずなのに、どうやら祝日は閉まっているらしい。なかなか好きなタイプの建物だったので、残念である。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191736j:plain

しかたないので上りのしまかぜを撮影して遊ぶことにする。なかなか気にいるショットが撮れた。ベストではなかったかもしれないけれど。連写しているうちにバッファを使い尽くしてしまい、連写速度を落としてしまったのが敗因である。ちゃんと機材の限界を把握しないと――。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191737j:plain

鳥羽の駅には旅館のマイクロバスが駐車するための専用のスペースがある。そこから、迎えのマイクロバスに乗って、今日のホテルへと向かった。一日の疲れが沸き起こる中、雨煙に包まれた日の傾く峠道をバスは走っていった。それはまるでスティーブン・キング原作の映画が始まるような道だった。けれども、行き先は64年前にゴジラが初めて人類の目の前に姿を現した大戸島なのだ。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172514j:plain

朝、起きて外を見ると、少しずつ晴れ間が、水平線のあたりから広がってきていた。朝食を追え、発つ頃になると空はとてつもなく青くなっていた。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172515j:plain

近鉄に乗って宇治山田駅へ行き、神宮の外宮へと赴いた。三年半ぶりのお伊勢参りだ。平日の今日も人に溢れた豊受大神宮を参拝し、いくつかの摂末社を参拝した。少しずつ光が差してきて、どんどん青空が広がっていく。春らしい空になった。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172520j:plain

バスに乗って内宮へも、もちろん行った。止まっているバスには路面電車風のラッピングがかかっていて、とてもかわいらしい感じだった。宇治橋を渡った先に一本桜の木があって、見事に咲いていた。内宮も、外宮も、とても人が多いけれど、時折できる一瞬に誰もいない時間がある。その一瞬を探して、気付いたら結構な時間が経っていた。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172517j:plain

おかげ横丁へは初めて行った。小松氏の声で碧志摩メグの姿を見つけ、キーホルダを買った。可愛いので適当なところにつけておくことにしよう。赤福餅も堪能できた。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172519j:plain

五十鈴川駅から一旦賢島駅へと戻って、今回の旅のメインイヴェントを開始する。賢島駅のホームからはまるで夏のような深い青空が広がっていて、その下に近畿日本鉄道のフラッグシップと言って良い特別な列車が侍っている。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172523j:plain

観光特急しまかぜ、近鉄50000系電車の1号車に乗り込み、ロッカに荷物を預けた。僕の席は、ハイデッカ車の一番先頭にある。その素晴らしい見晴らしを堪能していると、電車はゆっくりと進み始めた。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172524j:plain

取り急ぎダブルデッカとなっている4号車のカフェに行こう。この期間だけの先着限定の特別なスイーツセットがあるのだ。可愛らしい箱の名前は伊勢志摩の宝箱といい、添えられたハーブティと共に沿線の景色と丁寧な味を堪能した。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172526j:plain

さて、我が席に行くと、男性が経って前面ガラスにかじりついている。しばらくして彼が離れると今度は子どもがやってくる。そして子どもが離れるとまた先程の男性がやってくる。そうこうしているうちにどんどん景色は流れ日は傾き、これぞというシャッタチャンスを何度も喪失した。最早我慢することのほうが損失であると考え意見して排除する。トワイライトエクスプレスのときも、カシオペアのときも、最後の北越急行はくたかの時も、こういう輩に不愉快な思いをさせられてきた。いつも、そうだ。嫌になる。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172525j:plain

天気は悪化していき、目に見えていた素晴らしい景色の記憶にはすべて邪魔者が乗るという本当に度し難い展開になった。そして列車は次第に徐行し、ついに信号場で停車するに至った。これにより4分時間をロスするものの、運転士氏はその持ち前の技倆を発揮して近鉄四日市駅到着時には遅延を二分まで縮めた。その後も打撲した乗客がいたらしく、時折乗務員室は賑やかになったが、概ね問題なく列車は走り抜けた。運転士氏それぞれが持っているタブレットは皆カスタムしているらしく、一人の運転士氏のそれは「ハッキリした歓呼で無事故完遂」と表示し続けていたのが印象的だった。もちろん、運転士氏の誰もが粋な歓呼で旅路を演出してくれた。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172528j:plain

今度はもっと強くなって乗ろうと誓い、近鉄名古屋駅の地下ホームに降りた。そして、そのままアーバンライナに乗車する。大阪難波へと向かうためだ。売店で買ったおにぎりとお茶を持って指定された座席につくと、二人の少女がすぐ後ろの座席に座った。

「間に合うと思わんかった」

「最後まで諦めない言うのが重要やな」

「そやな」

「入試と一緒や」

一週間と少し立つと二人は大学生になるのだろうか――それは本当に素敵で輝いた時間だと思えるので、とても羨ましく感じた。もちろん、こんな旅路を辿れる今も幸せだと思えるけれど、いつでももしも、あの時――そう思っている。

「大学生は授業抜け出して映画見に行くのが定番やから」

そんな声が聞こえた。そういう他人の輝いている時間を死ぬまで羨み、自分の歴史を恨みながら、何かを描いていくのだろうなと思った。それでも、例えそうであっても、絶対に「あんな経験をしたからこんな作品が作れたのだ」とは言わないようにしようと、何度も繰り返した誓いを新たにした。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172529j:plain

大阪難波の駅から、地下鉄に乗って住之江公園駅で乗り換える。それからニュートラムに乗ってフェリーターミナル駅まで行った。ニュートラムはなんだか80年台のSF映画みたいな感じの雰囲気がとても気に入った。時間がなかったからあまり撮影しなかったけれど、のんびり撮影したいものだ。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172530j:plain

大阪南港フェリーターミナルから、オレンジフェリーの東予港行きに乗船する。電源を確保したかったので、ちょっとランクの高い席を取った。明日は早起きなのでさっさと寝るために船内浴場へと向かう。脱衣所には子どもがいて「ウルトラマンのうた」を歌いながら服を着ていた。狭い脱衣所の中でロッカから荷物を取り出したそうにしているのでどいてやると、きちんとお礼を言える良い子だった。ちょっと「ウルトラマンのうた」の歌詞が間違っていたので教えてあげたくなったけど、黙っていた。風呂を上がったら、歯を磨いてすぐに布団に入った。まだ20時を回って少しだったけれど、眠ることは難しくなかった。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172531j:plain

東予港に入るよりもしばらく前の、まだまだ暗い時間帯に目が覚めた。でもまあ、フェリーの中を散策するのも楽しいかと思い、ふらふらと歩いたり、まだまだ寒いデッキに上がったりした。デッキに風は吹いていなかったけれど、空気がとても冷たい。闇の中に浮いた明かりばかりの視界は、すこしずつ青く染まり、ゆっくりと水平線から赤い色が立ち上ってきた。それでも、まだ日が出ているとは言えない時間に、フェリーは東予港へと到着した。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172532j:plain

駅までバスが出ていたけれども、時間まで結構あった。歩いても同じぐらいなので、僕は歩くことを選択した。そのほうがきっと楽しいと思ったからだ。港から歩いて出る人間は少ないのか、出方がよくわからなかったけれど、作業着姿の男性が教えてくれたので、大型トラックやトレーラに気をつけながら歩いて出た。田畑の広がる平野の中にある道路を歩いていると、冷たい空気や靴の裏から染み込むようなアスファルトの温度が、上がる体温で気持ちの良いものになっていく。雲のない青い空の縁には山脈が見える。そしてその裏側からゆっくりと朝日が上がってきた。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172533j:plain

凪いだ静かな水面には、朝の景色が広がっている。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191739j:plain

道中にコンビニエンスストアを見つけたので、とりあえずおにぎりとお茶などを買って食べた。歩きながら、どこの観光名所でもない、ありふれた、でもここにしかない景色を撮っていた。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191738j:plain

壬生川駅につくと、駅前にパン屋があったのでそこでパンを買った。家族連れなんかも来ていて、ここに生活があるのだな、と感じられた。駅の構内にはたくさんの制服姿が溢れていた。春休みなのに、部活だろうか。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172534j:plain

改札口で青春18きっぷを発動し、入場する。到着した列車に乗り込むと、座席は生徒たちでほぼ満席だった。楽しい通学シーンを怪しい人物に邪魔されたくないだろうから、ドア近くにもたれ、外を見ていた。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191740j:plain

今治の駅に着くと、多くの生徒達が降りたからセミクロスシートのボックスを占拠することができた。しばらく電車は停車していたから、少し眠った。ロングシートの側には一人の女子生徒が座っていて、ずっと本を読んでいた。このまま乗り続けるのかなと思っていたら、列車が発車する直前に降りていった。座れる暖かいところで勉強したかったのだろうか。特急いしづち号が反対側のホームに停車し、僕の乗る列車を追い越していった。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172535j:plain

松山の駅には、「国鉄の名残」が溢れていた。こういう駅が、僕は好きだ。少し時間があったので、駅スタンプを押したり、用を足したりした。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191742j:plain

出発する何日か前、同僚のお姉さんが「壬生川から西に各駅停車で向かうなら、海側の線路を通るんだよ」と教えてくれた。その指示に従って、予讃線宇和島駅キハ54系に乗車した。そして、絶句した。一両編成はまあいい。よくあることだ。全席ロングシート、ローカル線では珍しいが、許容しよう。トイレなし、ちょっとまってくれ。何時間乗ると思ってるんだ――。四国舐めてました。まあいいか。途中下車、するし。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191741j:plain

汽車が松山を出ると、すぐに見事なスタジアムが目に飛び込んできた。こんなすごいスタジアムがこの街にはあるのか。僕は、こういうものに旅先で出会うことが好きだ。未来がはっきりと見える、そういう様が好きだ。もっとそういう経験ができればいいと思うし、そういうことで、そこに住んでいる人達が幸せになってくれればいいと思っている。車内に黄色い帽子を被った子どもたちで溢れたりもした。もっとこういう光景が増えてほしいと願っているし、そのためになにかできることはないかと、いつも探している。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610200332j:plain

ゆっくりと列車は栄えた年から長閑な景色の中へと進んでいった。茂みの向こうに海がチラホラと見えるようになり、ロングシートの車内からは広い視界が楽しめるようになった。なるほど、これはこれでいいものかもしれない、と思う。クロスシートでは必ず背もたれに邪魔されるが、一両に二ドアのこの車両は非常に窓が広く感じられる。これを上回るためには、ラウンジカーのような特別な車両が必要だ。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191744j:plain

この路線には大変有名な駅があり、その駅はとても混んでいた。運転士氏の他にも乗務員氏が乗車されているのは、きっとこのあたりは乗車人数が多いからだろう。けれども、僕はその駅を飛び越えて、その次の小さな駅で降りた。駅の名は「串」と言う。海を望む小さな待合室があるだけの駅を離れ、来た方向へと僕は歩き出した。道端の木には花がつき始めている。空は青く、程よく雲が浮いている。風は感じられないほど穏やかで、海は静かな波を見せていた。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172538j:plain

海沿いの道には春の穏やかな時間が流れている。歩行者の見当たらない道を歩きながら、目に映る景色の中に自分が未来に描く映画のショットを思い描きながら歩いていった。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172539j:plain

僕は「旅行はこの移動手段で」みたいなことをあまり考えない。どの移動手段にも一長一短あると思うからだ。車での旅行は、機動力が格別だ。大きな機材を運んだりすることもできるし、それ自体で宿にすることもできる。車でしか行けないところがある。気分のいい道を運転していくことには、それ自体の魅力がある。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191743j:plain

鉄道での旅行は、線路だけが持っている景色の視点が魅力だ。時刻表を手繰り、切符を用意して計画を立てることにも楽しみがある。駅弁を買ったり、見知らぬ人と話をしたりすることも楽しい。誰かの日常の中に入り込んで、その生活の尊さを少し覗き見させてもらう素敵な体験もある。もちろん、乗るだけで楽しい列車もある。

歩いて行けば、歩くことでしか見つけられなかったものを見つけることができる。海沿いの道を歩き、近くに造船所のような建物を見つける。そしてそこを覗き込むと、船を曳き上げたり進水させるためのレールが敷かれていることがわかる。道路の下をくぐっているその先を見たくて道路を渡り、反対側から覗き込むと、水中に敷かれたレールが見えた。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172540j:plain

列車に乗っていても、車に乗っていても、見つけることのなかった景色だ。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191745j:plain

さらにしばらく歩くと、下灘駅に到着した。この駅は大変有名で、良い写真スポットであるためか、たくさんの人にあふれていた。昨日、神宮でやったように、人の消える一瞬を狙って景色を切り取る。晴れ渡る空はがあったことを、とても幸運に思った。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172542j:plain

駅舎の中で写真を撮っている大学生らしいグループが、暗い室内で写真を撮るとブレてしまうと悩んでいる。ニコン機だったのでISO感度を上げる方法を教えてやり、ただ、これをやると画質が落ちるから必要ない時は下げるようにと教えてやった。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191746j:plain

心行くまで下灘駅を撮影して、来た道を歩いて帰った。同じ道でも逆向きに移動すると違う景色が見えることがある。そういうものを狙って歩くのも、また良い。それに、高くなった陽が、影の形を変えてくれる。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191747j:plain

串駅でこれぞというアングルを見つけておいたので、狙いすましたようにやってきた汽車を撮影した(縦構図のためブログでは割愛)。それからすぐに反対方向へと向かう汽車がやってきたのでそれに乗る。下灘駅へと向かう汽車なので、多くの人が乗っている。そして下灘駅で降りる。僕は、先程乗っていたときに見た景色から、ここで撮ると外が映えるはずだという時機を抑えておいたので、そこを狙った。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191748j:plain

灘駅を超えて、高野川駅について下車した。この駅も小さな駅だが、駅からは海の方に向かって、まだ打ってから歴史の浅いアスファルトの道があった。町が生きているのだ、という印象がある。こういう小さな「素敵」を見つけていけるから、旅は楽しい。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191749j:plain

駅のホームからは跨線橋が見える。そこに親子連れが来て、気動車は来ないだろうかと眺めていく。駅の近くには柑橘類の木があって、黄色い果実を実らせていた。そしてしばらくするとまたキハ54がやってきて、僕はそれに乗る。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191750j:plain

美しい景色は流れていき、たまに腰を低くすると、空の中を走っているような絵を見ることもできる。もっと広角のレンズがあったら――そんな風に思うことも、ある。荷物が重くなるので、また考えないと。一番手っ取り早いのは、より大きなカバンを用意することである。今のは、国際線に持ち込むことを考えたサイズだ。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172548j:plain

線路はいつしか海から離れ、川沿いの道を進んでいった。優しい景色を眺めていると、伊予大洲の駅に到着した。これまた素敵な駅だったが、それほど時間の余裕がないのですぐに宇和島行きの気動車に乗った。中には遠足らしい子どもたちと付添の先生方が一杯だった。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172549j:plain

僕は、後方の運転台付近に陣取って、奥へ奥へと過ぎていく景色を見ていた。次第に線路脇の桜が咲きだして、西に来たんだな、という印象を強くした。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172550j:plain

それほど長くはない時間の後に、八幡浜駅に到着した。プラットホームの屋根から吊り下げられた「のりかえ 別府連絡」の案内が「その先の日本」を感じさせる。八幡浜には、前年の七月に車でやってきた。今度こそのんびり散策を、と思っていたのだが、時間がないのですぐ次の列車に乗った。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172551j:plain

どんどん花が増えるのだろうかと思っていたが、そんなことはなかった。けれども、広がる景色の多彩さはまた特別なもので、薦められるものだ。山の高いところから広がる緑とその奥に見える海、繋がる空、そういう広がりがある。肉眼でなければ捉えられない豊穣な階調幅の景色を堪能していると、宇和島が近付いてくる。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172553j:plain

宇和島駅は、終着駅だ。昨日の洗練された賢島駅とは違う、初めて出会う懐かしさの漂う駅だった。どちらも、別の尊さを持っている。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172554j:plain

夕暮れまでの時間を過ごそうと駅の外に出た。そして、近くの神社までへと歩く。駅前は南の街の雰囲気を持っていて、まだ発展の予感がある。一方で創業以来七十三年の老舗の店が再整備事業により立ち退き、高齢に伴い廃業ともなっている。そういう寂しさと、新しい時間がくる喜びと、同居していかなくてはならない。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172555j:plain

宇和島城はもうすでに陽が届かなくなっていて、満開の桜を美しく撮れるような時間ではなかった。さらに、工事が進んでいて土嚢などがどうしても視界につく。まあそれでも、仕上がった日のことを思えば我慢できるというものだ。高台から見える港の景色は格別で、大きく曲がって伸びていく道路の高架には未来への期待がある。そしていつか、ここから新幹線が九州に繋がるのだと思うと、言葉にしようのない勇気を覚える。道中見た、四国地下開発宇和島営業所の力強い文字列を思い出した。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172557j:plain

宇和島駅に戻ると、次の列車まで時間があったので、駅の裏側にある和霊神社に行ってみることにした。ついでに、蒸気機関車の保存車があるようだから、それも眺めに行った。薄暗くなった公園に「ふるさと」が響き渡る。街灯がつき始める。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172558j:plain

荘厳で素敵な神社だったが、もっと明るい時間に来てみたい。また来よう。今度は、どんな手段で来るのだろうか。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191752j:plain

夜の中を各駅停車で進み、八幡浜駅まで引き返した。車内には部活帰りの生徒たちが疎らに座っていた。自転車部の白いヘルメットや、トリコロールのジャージ姿が印象に残った。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191753j:plain

すっかり闇に沈んだ八幡浜駅は暖かな光を放っていて、また通り過ぎてしまうことを寂しく思う。次こそ、ゆっくりと旅に来よう。そしていつか、ゆっくりと四国を巡ろう。その時まで、鉄路が過去にならないことを祈っているし、そうしないために言葉を紡いでいこうと思う。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172601j:plain

静かな夜の街を歩いて、八幡浜港へと向かう。そう、僕は「のりかえ」するのだ。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191754j:plain

前年の夏、ここに来たときも、フェリーで別府で向かうためにやってきた。夏の長い日差しは、夕食時になっても残照をこの港に張り巡らせていた。僕らは近くのホテルの一階にあった喫茶店でチャンポンを食べながら、プロ野球オールスターゲームの実況を聞いていた。あの夏のような旅路をまた描きたいと思い出せる。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191755j:plain

フェリー乗り場で現金が必要なことに気付いて、慌ててコンビニまで引き返し、金を下ろした。フェリーは前回と同じあかつき丸だ。「あかつき号」でなかったことに感謝する。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191756j:plain

出港後、少しだけ開店する売店でじゃこ天とビールを買って、晩酌とした。まあ、悪くない一日だった。それから、少し眠った。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191757j:plain

別府港からは、星が少しだけ見えた。少し歩いて、スーパー銭湯に辿り着き、一風呂浴びた。牛乳を飲みながら一休みして、歯を磨いて仮眠室で眠った。板の間に薄い布団だったので、背中が痛くなった。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172609j:plain

まだまだ夜明けの遠い時間だったが、銭湯を出て、別府駅へと歩き出した。野良犬とすれ違ったりして、夜の散歩はなかなか楽しい。誰もいない夜の街の景色を楽しみながら歩いていくと、別府駅へとたどり着いた。今日の分の切符を券売機で買おうとしたら、発券できなかったので窓口氏に頼んで購入した。ずいぶん変わった買い方をするな、と思われただろう。まあ、何はともあれ、東京までの切符を手に入れることはできた。ホームに上がると、驚いたことにそれなりの人数がいた。昔は大きな駅だったのだろうが、通過線の線路が剥がされた痕跡があって、それはとても寂しい景色だった。いつか、またいつか、ここに線路を敷き直す日が来てほしいと思っている。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191758j:plain

はじめてのJR九州の特急列車、はじめてのJR九州管内における乗車体験は、はじめて知ったJR九州の列車である特急ソニック号となった。水戸岡鋭治のセンスが散りばめられた車両に乗り込み、真っ暗な旅路を進んでいった。883系電車の振り子機能も楽しめた。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172611j:plain

小倉の駅について、さて新幹線で新大阪に向かいますかと思い、e5489に繋いだが全然空いていない。どうしたものかと思ったが、こうなると自由席の混雑度はあまり良いものとは思えなかった。仕方なくグリーン車を選択し、のんびり行くことにする。朝食は当然、弁当としよう。旬鯖ずしに綾鷹を購入し、のんびりやりながら初めての乗車となる山陽新幹線小倉-新大阪間を堪能する。時速300キロメートルで流れる景色には、特有の風情がある。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172613j:plain

初めて新大阪の駅で降りて、そこから目的地まで歩くことにした。大阪の空もよく晴れていて、実に春らしい陽気だった。近代的なビルが立ち並ぶ中に古くからある民家があったりして、僕の好きな東京の景色に似ているところがある。そんな街並みを撮影しながら歩いていると約束の時間へとどんどん時計は進んで行った。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172614j:plain

九州からいきなり大阪に来たのは、二年連続で訪れた米子映画事変の実行委員会から、宣伝イヴェントに登壇して喋って欲しいと言われたからである。二つ返事で引き受けて、この大阪にやってきた。昼過ぎから数時間のイベントに出席し、登壇して喋らせてもらい、作品も上映していただいた。ありがたい限りである。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191759j:plain

そのあと懇親会となったが一旦荷物を置くためにホテルへと行った。ところがこのホテルが福島というところにある。そしてホテルから会場への電車は非常に線形が悪く、梅田を経由して大回りするしかない。行きはえっちらおっちら行ったが、帰りは時間がもったいないのでタクシーを捕まえた。

「すいません、じゅうさん、というところまでお願いできますか?」

「は?」

「あの、漢字で、じゅうさん、と」

「ああ、じゅうそうな、ええで」

難読地名である。走り出してしばらくすると運ちゃんは言った。

「お客さん、十三へは、女遊びでっか?」

そんな金があったら、別のことに使うだろう。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191800j:plain

二次会もやって解散し、十三の駅から梅田駅までは阪急電車で帰った。阪急電車の小豆色の車体はお洒落で好きだ。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191801j:plain

次の日の朝は、梅田駅から青春18きっぷを発動し、まず新大阪駅へと向かった。そして、コインロッカに不要なものをすべて押し込む。身軽になってから駅構内のパン屋でサンドイッチを買った。それを食べながら東海道本線で京都へ向かい、京都から山陰本線に乗って、嵯峨嵐山駅へ行った。嵯峨野観光鉄道に乗るためである。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172620j:plain

残念ながら嵯峨野観光鉄道鉄道むすめ、嵯峨野ほづきちゃんのアクリルスタンドは売り切れていた。とりあえずまあ乗るだけ乗って、楽しむことにする。客車のボックスには窓際を確保した僕の他に三人の親子連れが座った。観光列車なので記念撮影をしきりに客室乗務員氏などがしてくれようとするのだが「パパとママとしらないおじさんそして僕」の写真が完成してしまうことを回避するために、出たり入ったり、いそがしかった。さらにまだまだ枯れ木ばかりの上に絶対逆の窓際に座ったほうがよかったな、という具合でまあ、単純に言えば、失敗である。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172621j:plain

馬堀駅から山陰本線で京都まで引き返し、京都から石山まで行った。別に中二病でも恋がしたい!聖地巡礼に行っているわけではない。京阪の窓口で石山ともかちゃんのアクリルスタンドを購入する、このために行ったのである。ともかちゃんは地味可愛い感じである。ついでにクリアファイルもゲットする。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172622j:plain

さらに九ヶ月ぶりに石山坂本線に乗って終点の石山寺駅まで行った。周辺をウロウロしながら何本か来た電車を撮影して構図を確認し、やってきた響け!ユーフォニアムラッピング電車を撮影する。望遠レンズがないので構図に厳しい制限が加わるところが残念だが、致し方ない。まあその条件下で満足行くものが撮影できたし、そもそも石山坂本線自体乗って楽しい路線なので、堪能して石山駅まで引き返した。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191802j:plain

まだまだ時間には余裕があるので、また京都まで引き返し、今度は奈良線でいつものように木幡の駅までいった。またウグイス色の103系にのることができた。これは最初に乗った二年前のあの夏からとても気に入っているが、もうなくなってしまう。それでも、満喫することができたと思える車両だ。いつか、映画の中で描いてやろうと思っている。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191803j:plain

とりあえず京アニショップ!を覗いて、今回はまあいいかなと再度奈良線に乗り、宇治まで行った。宇治は大変な人出で、日差しもまるで初夏のように強かった。冷やし飴を飲んで少し休んだ。それから、桜の木に蜂の類が飛んできて何やら励んでいたので、しばらく撮影して遊んだ。マクロに強いカメラも買っておきたいところだ。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610172625j:plain

さて次はどうしようかな、とも思ったが、特に訪れて遊びたいところもない。では適当に街中をふらふらしようかとも思ったが、このあたりでついに脚力に限界が訪れてきたのである。昨年の夏は丸一週間以上遊んでいたわけだが、のんびり列車に乗りながら景色を眺めたりする時間やしっかりと宿で栄養を補給しつつ英気を養う時間がかなりあったのだ。毎日かならず七時間の睡眠をするための工夫もしてあった。ところが今回はとにかく歩きまくっている上に睡眠時間が少ない。一日あたりの平均移動量は5キロ多く、5000歩多く踏んでいる。ゆっくりしても恥じることはない。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191804j:plain

そんなわけで、新大阪駅で人や列車を眺めながら時が経つのを待った。これはこれで楽しい。そして、駅弁とビールを購入し、東海道新幹線ののぞみ号に乗車する。ビールは奮発してプレミアムモルツの<香る>エール、ご当地自慢明太牛たん弁当と洒落込んだ。

f:id:TOYOZUMIKouichi:20180610191806j:plain

品川駅手前の夜の輝きが眩しい。車庫にはサンライズエクスプレスが侍っている。またいつか、四国へとサンライズ瀬戸で行こう。

コミックマーケット94、当選しました。僕のサークル「水無月追跡所」は、日曜日 東地区“Q”ブロック-09bです。発行予定の新刊にはこんな旅行記をまとめて収録しようと思います。このエントリィは、新刊宣伝用のサンプルエントリィでもあります。ブログのようにたくさんの写真を貼ることはできませんが、紙面だけの写真や内容をできるだけたくさん(採算が取れなくても泣かない程度に)収録しようと考えています。「凪いだ春の西へ・特別版」「青春消化の暴走」「馬に出会う北海道」「セイカン」「文と写真で辿る、陸の奥-HEART OF AKITSUSHIMA-」などのタイトルを目次に並べる予定です。ご期待下さい。

こちらも見てね。


陸の奥 -HEART OF AKITSUSHIMA-