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@TOYOZUMIKouichi

2018年のサムライブルーに本田圭佑の居場所はあるか - International Match: Paraguay vs Japan

人道的な時間にパラグアイ戦は放送されたので生中継で見ることができました。例によって見ながら殴り書きメモを参照してまったく試合を確認しないで書いていますので、忘却や書き間違いによる事実との齟齬があるかもしれませんがご容赦ください。まあ、ズブの素人なんで。

いろいろ見どころのあるゲームだったと思います。まあ、勝ったのはおまけみたいなものだ、としておきましょう。というか、全体的にワールドカップに向けて仕上げの段階に入っているスイスと、次の大会に向けて調整をしているパラグアイとではまったくゲームに対する向き合い方が違いましたね。単純に言えば、ヌルかったと思います。結果を持って仮想コロンビアに勝ったとしていいものではないと思いますし、もちろん、サムライブルーの調子が上向きになったと思わないほうがいいでしょう。一方で、南米チーム特有の流れもへったくれもなく、突然マジかよと思うようなプレィで得点を奪われるというパターンで二失点したのは、経験としてとてもよかったと思います。すごく、ありそうですからね。クロスも日本の運任せクロスではなくて、ディフェンスの裏の危険なところに低い弾道の高速クロスを入れてきて、ちょっと触れば一点みたいな感じで質の高さを感じさせました。でも、だからといって恐れてラインを下げてはいけません。しっかりと押し上げて、高い位置でボールを奪ってショートカウンタを狙っていきましょう。あと、セットプレーの守備がヌルかったも気になりますね。中村航輔はパンチングが危険すぎます。あんなプレゼントパンチングではいけません。

ゲーム開始直後に「いや、そこワンツーで抜けられただろ」とおもうシーンがありました。また、こんな流ればかりなのかと思いましたら、そうではありませんでしたね。ワンタッチが多く、縦への鋭い危険なパスが繰り返されました。パスを出したあとの動きの質も総じて良かったです。細かなパスの繰り返しでディフェンスを崩していくという形、その先のフィニッシュ、すべて揃っていました。もともと日本代表は決定力不足の前に決定機不足という伝統があるのですが、それもかなり改善されていたのではないかと思います。

守備の面では、岡崎と香川のプレス、よかったですね。岡崎は特に価値を示しましたし、香川も前回問われた部分をしっかりと修正してきました。香川だけではありません、チーム全体が様々な問題を修正してきました。前回の試合では当たりの強いスイスの選手に背中を向けていても潰される、というシーンが相次ぎましたが、今日のサムライブルーはそういう一対一の激しい当たりにも耐えてボールをキープしました。さらにインターセプト、そして早く高い位置からのを利かせてボールを奪い、ショートカウンタでフィニッシュに持っていき、点を取ることもできましたね。

そういうことができるようになった裏には、大きなポジショニングの改善があったと思います。前回の試合では、非常にポジショニングが悪かった。そんなところにいたってパスは通らないよ、というところに選手がいる、というパターンが繰り返されました。そうなると持ち手も動きが止まるので、ゲームが停滞します。パスワークはパスの出し手だけではなく、受け手のポジショニングが大事です。フットボールではお互いの位置と距離が大切なのです。これがわからないと、誰か選手がボールを持っていて奪われると、そこだけを見て「なぜパスを出さないんだ。あいつが攻撃のリズムを崩している」と怒ることになります。出したところで奪われるのなら一緒です。よく言いますね。敵の右サイドが攻めてこないのは右サイドがダメだからでなくてこっちの左サイドが攻めているから怖くて出てこられないのかもしれない。敵の右サイドが攻めてこないというだけで、右サイドの守備を薄くするとなにかの拍子に貫かれることになるぞ、みたいな話を、聞いたことがある人もいるかと思います。そういうたぐいの話です。

ポジショニングについては最終ラインの押し上げをやはり西野監督は指示しておられましたね。前回悪かったのでちゃんと修正したと思います。

39分あたりは見事なパス回しも見られましたが、もっと危険な走りや、そこに狙った危険なパスを見たかったと思います。考えて走るとはそういうことです。相手にとって恐ろしいところ、自分たちにとってはパスを出せるところ、そういうところを考えて見つけて走っていかなくてはいけません。そのあたり、岡崎は強かったですね。44:30あたりの香川が特にダメな例で(香川の全体的な質は高かったですが)、一体ボールを足元で受けたいのか、後ろに抜けていきたいのか意図が不明瞭でした。そして、二枚に挟まれているのにパスを貰って後ろに抜けようとしてしまい、案の定インターセプトされています。あの位置ではパスはもらえない距離感だ、みたいなのを掴まなくてはなりません。

前回から僕の中で攻撃においてマズなと感じているのは武藤選手です。今日は自分が点を取りたいのもわかりますが、ちょっととなりにボールを渡せば可能性が広がるのに、ずっと持ち続けてしまってパスコースを消されて自滅したり、運任せシュートでせっかく持っていたボールを失ったりという場面がありました。一方で先程申し上げたボールをキープする時の強さは感じられましたし、乾選手の二点目は彼が上手く球から離れたことによるものなので、その感覚を本番で発揮してくれればいいと思います。

さて、次戦の西野監督がどういう形にするのか、という話をしましょう。わからなくなってきました。タイトルにちょっと書きましたが、明らかに今日の香川真司のほうが前試合の本田圭佑よりよかったと思います。もっと魅せられる筈だ、と前回書きましたが、香川はちゃんと魅せてくれました。けれども、じゃあ本番で香川真司でいいのかというのはすごく微妙な話です。まず、今日簡単なプレィで倒れてしまってPKを求める香川真司には、ワールドカップでのフィジカルバトルに勝てるのかと思ってしまいました。周りの状況が違いすぎて、ただ比較することができない感じだからです。前回は敵がかなり仕上がっていて、非常に強い当たりできました。そして味方のポジショニングが悪く、パスコースもなければ距離感もない状態でした。一方で、今回は敵はヌルくて皆比較的室の高い動きをしていてパスを回しやすい状況下にありました。ぜひ同じ状況下で本田圭佑を入れて様子を見たいと思ったのですが、手の内を晒したくないのか、あるいはもう諦めているのか、どっちなんでしょうか。

本田圭佑は非常にプレィスタイルが地味で、僥倖みたいな点のとり方しかしないので、大勢に非常に評判が悪いですね。前回の大会でも大勢からの前評判は最悪でした。先日も大変興味深い記事が上がっていましたね。トップ下・本田圭佑が日本を縛る。現代サッカーの潮流に逆行…スイス戦で見えた限界だそうです。どなたがお書きになられたのかわかりませんが、お名前をお隠しになるあたりかなりの重鎮と思われます。「相手のキーマンであるグラニト・ジャカを常にケアする役目を担っていた」どこからきた情報なのかわかりませんが、選手に与えられたタスクをしっているあたりかなり強力な情報源を保有しているようです。そして、キーマンを常にケアする役目は重要な役目ではないでしょうか。本田が常にジャカを見るならベーラミを誰が見るのかも知りたいです。「縦にも横にも機動性や運動量が求められ、守備では相手の攻撃の起点となる選手を抑えなければならない」すごく重要そうなポジションです。「中央に陣取ってはいるものの、プレーエリアが狭いため動き回って常にボールに絡み続けることは難しい」どこに陣取っていようが、プレーエリアが狭ければ常にボールに絡み続けることは難しいですし、プレーエリアが広いけど動き回っていないという様子は想像できません。かなり知的水準の高い表現で理解しかねます。「武器としてキープ力が挙げられることもあるが、もはやワールドカップのレベルでは厳しいか」どうしてそう思ったのでしょうか。書いてありません。もっと素人にもわかるように教えてほしいです。「もしも「トップ下」という明確な役割が存在し続け、日本代表においてそのポジションに本田が座ったままになるようであれば」仮定の二段重ね、前提も不明瞭な上で否定です。すごい観察眼です。神通力ではないでしょうか。「日本サッカーは世界の潮流から大きく取り残されたまま」、トップ下という明確な役割が存在し続けることと日本代表におけるポジションが別立てになっていることから、トップ下という明確な役割が存在し続けるのは世界全体のようです。となると、本田圭佑がそこにいるだけで世界の潮流から取り残されてしまう、ということになるのでしょうか。そして、その役割が不明瞭なまま否定モードというのはすごいと思います。トップ下の役割についてはかつての話しか書いてありません。ものすごく高度で、やはりズブの素人では現代フットボールを語るのは難しいな、と思い知らされました。でもまあ、この記事は大変人気があって皆が同意していたので多分正しいのでしょう。僕はまったくそう思えませんので、そんな僕が書いているブログだということを理解してみなさん読んでくださいね。

さて、そんなド素人の僕からすると本田圭佑フットボールの能力が極めて高い選手です。ドリブル技術は2010年の技術委員会報告でも名が上がっていますが、おそらく殆どのひとが彼のドリブルの能力の高さの印象はないと思います。多分2010年のサムライブルーのドリブルというと、松井大輔であり岡崎ルーレットだと思います。地味とはそういうものなんです。僥倖ではなく、ちゃんと周りをみてポジショニングしているんですよ。このポジショニングの重要性というのはそれこそバルサでもかなり叩き込まれる部分なんですが、なかなか大勢の人に伝わりませんね。まあ、理由はわかりますが……。ドリブルだけでなく、あらゆる技術が高いですし、口に似合わずかなり献身的な選手です。水を運ぶ選手、というヤツです。本当のエゴイストはデンマーク戦で岡崎に点を取らせたり、遠藤にフリーキックを蹴らせたりしません。そしておそらく今のサムライブルーは彼がいることによって、批判が彼に集中していて実にやりやすい状態になっています。

ただし、それはすべて外の話。過去の試合の話。今現在の本田圭佑の状態ではありません。だからこそ、今日の試合で見たかったと思うのです。あれだけ滑らかに動く選手が周りにいるときの本田を見てみたいと思いました。居場所があるか、そうすればはっきりしたと思うからです。まあ、これで出てこなかったら「ああ、西野監督は練習での様子を知っているからな」と思うだけですが。ただ、あの度胸とフィジカルの強さは役に立ちそうなので、今日のような滑らかなフットボールに加われたらいいと思いますね。

西野朗はガンバでは選手のタレント性に頼っていただけ、なんて訳知り顔のヤツもいましたが、十年前ファギーを驚かせたのは西野です。そう言えば21年前には守備練習を繰り返していたのに非公開練習で作ってきた攻撃パターンで韓国相手に快勝した、なんてこともありましたね。アジジを忘れてはいけませんよ。どうなるか、みてみよう。